2024年2月の日記

日記です。

今月よく聴いてた曲プレイリスト

今月はエジプトのアーティストが多めになりました。

ドクター・フーの新シリーズが始まった

ドクター・フー中期に脚本を描いていたラッセル・T・デイヴィス(最近では80年代イギリスの同性愛者の若者たちを描いたドラマ『IT’S A SIN 哀しみの天使たち』も話題になってた)が久々の復帰で嬉しい。この人はあんまり「できた」人間を描かないところが好きで、めちゃくちゃでも破れかぶれでもいいんだよ、的な人間への優しさを感じる。日本版作るなら大泉洋と上沼恵美子だな、って感じのドクターと相棒(ドナ)の珍道中の空気が懐かしい。

懐かしいけどノスタルジーには溺れなかったところも良かった。これは自分が最近のシリーズもの、大作IP映画に対して一番警戒していることで、ファンのキャラクターに対する入れ込み具合を利用してドラマぶち上げるのって安易じゃんっておもう。

今作には人気が高かったデヴィッド・テナント版ドクターとのお別れシーンもあるんだけど、出会いとか別れとか死ぬとかそういうドラマより「変わらない日常を生きていくことが一番すごい冒険だから」ってメッセージで締めるところが中々渋い。映画でもアイドルでも、色んなエンタメが「日常を忘れてコンテンツに熱狂しろ」って煽ってきがちな中でね。

新シリーズのドクターは黒人でノンバイナリーという設定だったり、車椅子で敵と戦う女性幹部とかもばんばん出てくるので、やっぱり時代によって描けるキャラクターの間口が広がっていってるな、と思う。

恵比寿映像祭

東京都写真美術館で開催されていた恵比寿映像祭2024で、バーナデット・コーポレーションの《Get Rid of Yourself》と、《DigiCon6 ASIA》を観た。

バーナデット・コーポレーションというのは、ニューヨークを拠点とするアート/ファッションのコレクティブ、らしい(最近Supremeとコラボもしていた)。というのも、たまたま時間がちょうど良くて観る気になっただけだったので、なんの背景情報も知らずに観て、そしてあとから調べても、そこまで情報が多くない。

映像はファッションショーで始まり、次第にジェノバ・サミットの開催時の大規模デモのフッテージが主題になる。デモ参加者のインタビューの声が、スーパーマーケットで強奪を行った時の感想などを述べている。次第にそれはクロエ・セヴェニーの「台詞」となってダブされる。音と画面はコラージュされ、サイズや焦点や時間軸は曖昧になっていく。

以下の記事によると、この作品は”アンチ・ドキュメンタリー “である、らしい。

『Get Rid of Yourself』が “反グローバリズム運動における政治的抵抗の初期形態と自らを一致させるシネトラクト…それ自身の形式を裏切ることによって機能する映像エッセイ “として機能する

https://www.eai.org/titles/get-rid-of-yourself

《Get Rid of Yourself》の方を、1時間ぐらい、そのでっぱりやへっこみから手がかりを掴むように感覚を総動員して観ていたので、その後観た《DigiCon6 ASIA》(アジア各国から集まった短編アニメーション11選)が、あまりに意味がわかり”過ぎて”しまうように感じてしまって、うまく意識をチューニングできなかった。

もちろんどれも良く出来ている作品だったんだけれど、筋にも作画にも意味がありすぎるというか、質感より先に意味が飛び込んできてしまう感があった。それが悪いわけではないんだけど、短編アニメーションってもっとヘンテコでもいいのかなあとは思う。ピーターミラードみたいなやつが好きだし。。

哀れなるものたち

意味の話と関連して、「寓話的」な物語もあんまり得意じゃない時がある。面白いのはわかるんだけど、例えば、なんかの染みや影がうまい位置に三つあったら、人間の顔に見えてくる、みたいなやつって、一度人間の顔に見立てちゃったら、それ以外に見えなくなってしまう。心霊写真とか。

寓話的な話も、ただの点であるものを因果で結んでしまうのをやりすぎると、ただの点であった時の可能性が逆に見えなくなってしまう。

というわけで、『哀れなるものたち』を観たが、出てくるものが全て(心霊写真のように)シンボリックで、面白いんだけど、わりと疲れてしまった。SNSで全然知らないやばい人が炎上しているのを眺めているときの「人間おもしれー」の肌感で撮ってる映画な気がした(悪く言い過ぎ)

坂本龍一トリビュート展

ICCで坂本龍一のトリビュート展を観た。結構こじんまりした展示だったんだけれど、それで結構なひとを呼べる名前の集客力すごいなーと感じた。

草間彌生の水玉で覆われたグラスハウスを、ゴムのマレットみたいなので擦って演奏する、っていうパフォーマンスの映像が結構好きだった。赤い水玉がグラスハウス自体に湿疹が出てるっぽく見えて、出る音も呻き声っぽくて完全家ホラーだった。

夜明けのすべて

ものすごく評判が良かったので観にいった。自然ぽく見えるけどすごく緻密に作られているんだろうなという映画だった。

山添くん(松村北斗)がはじめ、藤沢さん(上白石萌音)に対してうっかりと失礼な発言をしてしまうんだけど、あれを山添くんがもしネットとかに書いちゃってたら、多分死ぬほど叩かれて、反動でインセル的な方向にいっちゃってたかも、とか想像してしまう。少なくともそのルートだと後に自分で本借りて勉強してみようみたいなメンタリティには辿り着けなそうだから、やっぱり自分を広げていくには出来る限りスローなコミュニケーションが必要なんだと思う。

藤沢さんが、ただ話すために山添くんちに夜までいて、お菓子ばりばり食って、帰っていく。こういうシーンが描けるの、希望しかない。

AMCJ

今月もお邪魔したAMCJ。日本の伝統音楽の研究/実験にMaxを活用、というテーマで、三味線のパフォーマンスも見れて面白かった。

休憩中に三味線の楽譜を見せてもらったんだが、それが縦書きであることに結構衝撃を受けた。楽譜でもシーケンサーでも「左から右に流れる」ということに慣れすぎてしまってて、縦書きの考え方で音楽を奏でるというのが新鮮すぎる。

うた、旋律が主体であって、うたを書くのが日本語だと縦書きだから、楽譜も縦書きになる、と考えると確かにそうなんだけど、横書きのUIの先入観についてもう少し良く考えてみたい。

Gucci Visionsとマークレッキー

グッチ銀座ギャラリーのGucci Visionsと、エスパス・ルイ・ヴィトンのマーク・レッキー展示をはしごした。

でかフィリックス

頭上に鎮座するどでかフィリックスかわいかった、子供のころ、フィリックスザ キャットのアニメ映画が好きで繰り返し見たなあ。

この下にでかサウンドシステムがあって、イギリスの若者たちがレイヴしてるシーンなどのホームビデオコラージュ的な映像を低音ゔぉんゔぉんで流してておもろかったです。

レシピ本買った

先月の日記でドラマ『フェルマーの料理』のことを書いたが、公式レシピ本なるものが発売されていたので、料理全くできないにもかかわらず買ってしまった。

フランス料理フルコース的なレシピが載ってるので、素人にはかなり形而上学的なレシピに感じられ、「化学」ではなく「数学」と言いたかった意味がなんとなくわかった気がした。

せっかく買ったので、「料理、やっちゃいますか・・」という気分が一瞬高まったものの、まだ何も出来ていません。

まあやり始めたらなんでも面白いんだろうけどね。

SP-404買った

サンプラー買っちゃいました、道具って便利だなあ。で、実は一番やりたかったのがカバーをカスタマイズすること。同人グッズ印刷所でA4サイズのステッカー を刷って、パッド等の部分をデザインカッターでくり抜きました(この作業が地味に大変だった…)。

しかし実際貼ってみるとちょっとぐちゃっとしてるなあとか、もう少しくっきりしたデザインにしたほうがいいかなあとか思えてきて、まだあんまり納得いってないので、別のバージョンも作ってみたい。